あれは何だったのかしら？

タイに行ったときの飛行機での出来事なんです。
すごくすいていたんですよ。
あたしの隣は3席空いていてその向こうにエゲレス人らしき方が座ってました。友人と大爆笑しながらトランプやってたら、後ろの方から日本人の年配の方、（以下おばちゃん）がふらふらとやってきてわざわざ奥のあたしに話し掛けてきました。
「ちょっと気分が悪いんだけど、横になっていいかしら？」
突然なので何も考えず「どうぞ」と答えたとたん、おばちゃんは隣の空席に横たわりました。

でなぜかあたしのひざに頭を乗せて。
その向こうのエゲレス人のひざに足を乗せて。

・・・。あたしも友人もあっけにとられ絶句。エゲレス人も絶句。

ふと見回すと、前にも後ろにも空席はいっぱい。しかもおばちゃんがゆったり寝転がれそうな空きスペースは何列もありました。
沈黙を破ったのはおばちゃんの一言。
「ねえ、しんどいから頭をなでていて。」
はい？あたしにおっしゃってます？あたしにおっしゃったんですね・・・。小心者のあたしはふるえつつおばちゃんの頭をなでなでしました。

・・な・・・なぜ？
いったいこの状況は・・・。外人のスチュワーデスさんはおばちゃんがあたしたちの連れだと思っているのか声をかけてくれず、そのまま着陸態勢に入るまであたしとエゲレス人はおばちゃんのなすがままでした。一時間くらいはそうしていたかしら。

着陸体制に入りシートベルトをつけるようアナウンスがながれたとたん、おばちゃんはすっくと立ち上がりすたすたと自分の席に戻っていきました。お礼もいわず。
タイに到着するとおばちゃんは同年代の女性と小学生くらいの子供を連れてあたしたちに目もくれず飛行機を降り立ってゆきました。

なんだったんだ、おばちゃん。新手のスリかと思い慌ててかばんなど調べれど何もとられたものはなさそうだし、もうわけわからず。
ふとエゲレス人と目があいました。彼は「Oh、no！」とでもいいたげなゼスチャーをしてさみしそうに微笑みました。

あれはなんだったのでしょう？今んとこおばちゃんはあたしの人生の最大のなぞです。

今日のBGM、「ポロメリア」Cocco。今日のおいしかったもの、石焼ビビンバ。今日の一言、「エッチは窓しめてやってね」どこからともなく、アノ声が。昼間の14：00のことでした。まる聞こえー・・・・。純情なあたしは耳をそばだててききいりました。